塾開業には、約3か月程度(最短1か月)の準備期間が必要となります。
登記から物件選び、設計、宣伝、授業、カリキュラム、入会希望者への対応など、
開校準備をはじめてみると、やらなくてはならいことは山のように出てきます。
ここでは、塾開業に至るまでのプロセスを8つのステージに分けて、それぞれの
ステージ別に簡単な説明をします。
学習塾には様々なタイプもあり、準備作業も一様ではありません。
ここでご紹介するのは、一般的な例です。
このビジネスを通じて何をおこないたいのか、考えたことがありますか。
何を目的にはじめるのか、どんな目的のためなら教育サービスを続けることができるのか、
明確にしておくことをおすすめします。
学習塾は子どもたちの将来を決めていく大切な場であり、保護者は学習塾を信頼して、子
どもを預けてくださいます。入会に当たっては必ず、面談で塾のビジョンについて語る場
面が訪れますし、あなた自身の心が揺れ動いた時、立ち返る場所(教育理念)があること
はとても大切な事です。
学習塾を立ち上げる理念やビジョンを明確にしておきましょう。
学習塾をどんなカタチで始めますか? 物件を決める前に、その運営形態を決めておきま
しょう。運営形態には指導形態が含まれます。個別指導にするのか、集団指導にするのか、
あるいは映像授業を中心にするのか、またパソコンを利用した自立学習を行うのか?
あなた自身が納得できる運営形態に決まったならば、
•どのような年間スケジュールで運営するのか
•どんなイベントを行うか
•授業の時間をどうするか
•価格をどうするか
•顧客情報をどのように管理するのか
•どれくらいの学力の子どもをあつめるのか
•どの学区の子どもたちをあつめるのか
などの大枠を決めてください。
設計と、集客の目標人数が決まれば、教室内のレイアウトは見えてくるはずです。
フランチャイズなどでは、物件選びや什器の手配などもしてくれる場合もありますし、
そうでない場合もあります。
フランチャイズではなく、ご自身ですべてを決めたいという場合は、まずは様々な学
習塾がどんな運営をしているかをしっかり下調べすることをおすすめします。
実は、学習塾の収益はこの設計によって大きく変わってきます。
なかなか塾のホームページなどでは見えない部分がありますので直接、学習塾を
見学するなどして、運営の実際をよく勉強しておいてください。
立地については小規模な学習塾(100人程度の生徒を集める塾)では、小学校・中
学校がそれぞれ、「どれくらい近くにいくつあるか?」を知ることが重要です。
中学生は部活が夜遅くまであり、その後にどれくらいの時間で塾に着けるかで何時か
らの授業を受けられるかが決まってきます。
「アクセスの良い場所」が生徒を集めやすいのは当然ですが、駅前といった人が集
まる場所に立地をするのか、それとも住宅街に近い場所が良いのかなどを検討する
必要があります。
物件のサイズは授業を行うスペースに加え、面談スペース、自習スペース、講師や
社員の衣類やイベントなどで使う物品を保管しておく場所などもイメージして広さを
決めましょう。
その他にも
•水回りはどうなっているのか?
•トイレは男女別々になっているのか?
•自転車はとめられるのか?
•看板などの設置場所はどこになるのか?
•その物件は目立つ位置にあるのか?
などの項目などもしっかりチェックしてください。
物件選びの際に、自分が想定していたエリア外も一時当たってみることをオススメ
します。意外と盲点だった優良物件に巡りあえるかもしれません。
さて、物件の目途がつき、開業までの目安がついたとしましょう。
ここまで来ると、「いよいよ始まるなあ」と実感を持たれる頃かと思いますが、同時に
「集客の準備」、「資金の準備」、「開業手続き」、「内装工事」など、とても一人では
対応しきれないほど、たくさんのこと課題が降りかかってきます。
フランチャイズでの開業を選ぶと、「ほとんどがおまかせ」でも完了していきますので
比較的楽なのですが、これらをすべて一人でやろうとすると、しっかりと段取りをして
も相当な労力を必要とします。
開業時にどれだけの生徒を集められるか、はとても重要な事です。体験授業や、本来の
授業でどれだけの満足度を生徒や保護者に与えられるかでその塾の地域での最初の評判
ができあがります。最初にしっかりと準備をし、集客を行いましょう。